【はじめてのFP学習】健康保険の基本②~医療費の自己負担と高額療養費を解説~



健康保険には、病気やケガをしたときだけでなく、出産や休業など、さまざまな場面で受けられる給付があります。
その中でも、まず押さえておきたいのが、**『療養の給付』と『高額療養費』**です。
病院に行ったとき、私たちは医療費の全額を支払っているわけではありません。健康保険によって、窓口で支払う金額が一定の割合に抑えられています。
さらに、大きな病気やケガなどで医療費が高額になった場合には、自己負担が重くなりすぎないようにする仕組みも用意されています。
今回は、①療養の給付と②高額療養費について、実際に医療費を支払う場面をイメージしながら、一緒に見ていきましょう!
療養の給付 ~医療費は何割負担?~


まずは、病院で支払う医療費の自己負担割合から見ていこう!
実はこの割合、年齢によって違っていて、小学校入学前は2割、小学校入学から70歳未満までは3割、70歳から75歳未満は原則2割なんだ。

小学校に入る前は2割なんだ!
そういえば私も、その頃は2割だったってことだよね。
全然覚えてないや〜。

まあ、その頃から医療費の自己負担割合を気にしてる人なんていないからね💦
きりちゃんは今は3割負担だけど、70歳になると原則2割になるよ。

おお〜!
じゃあ70歳になったら、みんな2割になるんだね!

と思いきや、そこは注意!
70歳から74歳でも、現役並みの所得がある人は3割負担なんだ。

なるほど〜。
年齢だけじゃなくて、所得によっても変わるんだね、、、!

そういうこと!
そして75歳になると、原則として**『後期高齢者医療制度』**に移るよ。
ここからは健康保険とは別の制度になるんだ。

75歳は、制度が切り替わるタイミングでもあるんだね!
よーし、まずは年齢ごとの自己負担割合をしっかり覚えとこ〜!✨
健康保険に加入していると、病院や診療所を受診した際に、かかった医療費のすべてを自分で支払う必要はありません。
医療機関の窓口で支払う自己負担割合は、年齢によって次のように決められています。
- 小学校入学前:2割
- 小学校入学~70歳未満:3割
- 70歳~75歳未満:原則2割
たとえば、医療費が10,000円かかった場合、3割負担の人が窓口で支払う金額は3,000円です。残りの7,000円は健康保険から支払われます。
ただし、70歳から74歳までの人でも、現役並みの所得がある場合は3割負担となります。
また、75歳になると、原則としてそれまで加入していた健康保険を離れ、**「後期高齢者医療制度」**へ移行します。
まずは、
「小学校入学前は2割 → 70歳未満は3割 → 70歳から原則2割」
という大きな流れを押さえておきましょう✨


語呂合わせで覚えよう✨
まず、小学校入学前の医療費は2割負担。
ランドセルを背負う前だから、
『ランドセルを背負うまで、にこにこして待つ』
『にこにこ』のに=2割だよ。
そして、70歳から75歳未満は原則2割負担。
『なぜか5年間、人気者』
『なぜ』で70歳、『5年間』で70歳から75歳未満、そして『人気者』のに=2割
語呂と一緒に覚えれば、年齢と負担割合がごちゃごちゃになりにくいよ。
高額療養費 ~高額な医療費をサポート~


次は、高額療養費について見ていこう!
医療費が高額になったとき、自己負担が重くなりすぎないように、1か月あたりの自己負担には上限が設けられているんだ。
その上限を超えた分は、高額療養費として支給されるよ。

へぇ〜!3割負担だからって、医療費が高くなった分だけ、ずっと負担が増えていくわけじゃないんだね。

そうなんだ!
そして自己負担限度額はみんな同じじゃなくて、月の給与(標準報酬月額)によって5つの区分に分かれているよ。
たとえば『ウ』の区分なら、
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
で自己負担限度額を計算するんだ。

うっ、、、急に計算式が出てきた💦
ところで先生、この**『総医療費』って、病院で実際に払った3割分のこと?**

ここは間違えやすいところだね!
総医療費というのは、3割負担したあとの金額じゃなくて、10割分の医療費のことなんだ。

なるほど!
実際に払った金額じゃなくて、もともとかかった医療費全体を使って計算するんだね。

そのとおり!
計算式だけ見ると少し難しそうだけど、実際に数字を当てはめてみると分かりやすいよ。
次は具体例を使って計算してみよう!
病気やケガなどで医療費が高額になった場合、3割負担とはいえ、家計にとって大きな負担になることがあります。
そこで健康保険には、1か月に支払った医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、**超えた分が支給される「高額療養費制度」**があります。
この上限を**「自己負担限度額」**といい、月の給与(標準報酬月額)などによって区分が分かれています。
たとえば、標準報酬月額が28万円~50万円の「ウ」の区分では、自己負担限度額を次の式で計算します。
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
ここで注意したいのが、計算式に出てくる**「総医療費」**です。
総医療費とは、病院の窓口で実際に支払った3割分の金額ではなく、健康保険が負担する分も含めた10割分の医療費を指します。
また、高額療養費の対象となる月が続いた場合には、**「多数該当」**という仕組みもあります。
過去12か月以内に高額療養費の支給を3回以上受けている場合、4回目から自己負担限度額がさらに引き下げられます。
高額療養費では、まず
「医療費が高額になっても自己負担には上限がある」
という基本を押さえておきましょう。

この教材の自己負担限度額は、令和8年7月までのものだよ。
制度は改正されることがあるから、最新の情報は協会けんぽのホームページで確認してね。
高額療養費 ~いくら戻ってくる?計算してみよう!~


じゃあ最後に、実際に高額療養費がいくら戻ってくるのか計算してみよう!
今回は、総医療費が100万円で、自己負担割合が3割のケースだよ。

100万円の3割だから、窓口では30万円かぁ、、、。
これはなかなか大きな出費だね。

でも、高額療養費があるから大丈夫!
今回は『ウ』の区分として自己負担限度額を計算すると、
80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%
だから、87,430円になるよ。

ということは、30万円払っても、最終的な自己負担は87,430円で済むってこと?

そういうこと!
300,000円-87,430円=212,570円
だから、限度額を超えた212,570円が高額療養費として戻ってくるんだ。

21万円以上も戻ってくるんだ!
高額な医療費がかかっても、ちゃんと負担を抑えてくれるんだね✨
それでは、実際に高額療養費がいくら支給されるのか計算してみましょう。
今回は、**総医療費が100万円、自己負担割合が3割、所得区分が「ウ」**の場合を例にします。
まず、医療費100万円の3割を負担するため、医療機関の窓口では30万円を支払います。
次に、高額療養費制度における自己負担限度額を計算します。
所得区分「ウ」の計算式は、次のとおりです。
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
今回の総医療費100万円を当てはめると、
80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%
=80,100円+7,330円
=87,430円
となります。
つまり、30万円を支払った場合でも、最終的な自己負担額は87,430円です。
そのため、
300,000円-87,430円=212,570円
となり、自己負担限度額を超えた212,570円が高額療養費として支給されます。
高額療養費制度は、医療費が高額になった場合の負担を大きく軽減してくれる大切な制度です。
FP試験では、**自己負担限度額の計算方法と「総医療費=10割分の医療費」**という点をしっかり押さえておきましょう!✏️📘

高額な医療費がかかることが事前にわかっている場合は、限度額適用認定証を利用すると、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えられるよ。
マイナ保険証を利用すれば、限度額適用認定証の申請をしなくても、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えられるんだ。
FP学習におすすめの教材&講座
はじめてのFP学習にもおすすめのLEC教材はこちら

独学が不安な方におすすめのFP講座はこちら


