FP試験問題の疑問:家族型傷害保険はどうして保険料が一律なの?



家族傷害保険(家族型)は、子どもが生まれても追加の保険料はいらないんだ。

子どもの人数に関係なく、保険料が一律なのがこの保険の特徴だね。

えっ、なんでなんで?
だって『収支相当の原則』ってあるじゃん?
子どもが増えたら、ケガして保険金を受け取る確率も上がるよね?
だったら、保険料も上げないとバランス取れなくない?

おっ、きりちゃんの口から“収支相当の原則”なんて言葉が出てくるとは思わなかったな。
よし、それじゃあ今回は“家族型傷害保険はどうして保険料が一律なのか”を解説していこう!

ちょっと今の言い方、バカにしたでしょーっ!
目次
そもそも傷害保険ってどんな保険?基本をおさらい!
傷害保険とは、ケガによる入院や通院、手術などに対して給付金が支払われる保険のことです。
ここでいう「ケガ」とは、転んで骨折した、スポーツ中に捻挫した、交通事故でケガをした、など突発的・外的・偶然な事故によって体に損傷を受けた場合を指します。
つまり、病気や体調不良では給付の対象にならず、あくまで“ケガ”が対象なのが特徴です。
📝ポイントまとめ
- 対象はケガのみ!
風邪やがんなどの病気は対象外です。 - 通院・入院・手術・死亡など、給付の種類が豊富!
契約内容に応じて、通院だけでも給付されるプランもあります。 - 日常生活の中での事故も対象になることが多い!
階段で転んだり、自転車でぶつかったりといったケガもカバーされます。

登山・スキー・サッカー・ランニングなど、ケガのリスクが高い趣味を持つ人にぴったりな保険だね。
家族みんなをまとめて守る!家族傷害保険とは?
家族傷害保険とは、家族の誰かが事故やケガにあったとき、その治療費や通院・入院にかかる費用などを補償してくれる保険です。
契約者本人だけでなく、配偶者や子どもといった家族全体を対象にして備えられるのが特徴です。
この保険は、日常生活の中で起こる突然の事故やケガに対応します。たとえば──
- 子どもが自転車で転倒してケガをした
- 親が階段で足をくじいて通院した
- 家族で出かけた先で不慮の事故に巻き込まれた
…といったケースでも、条件を満たせば保険金が支払われる仕組みになっています。
この家族傷害保険にもいくつかのタイプがあり、補償の対象となる家族の範囲や契約の仕方によって内容が少しずつ異なります。
そこで次に、家族傷害保険の主な3つのタイプについて見ていきましょう👇
タイプ | 補償対象 | 特徴 |
---|---|---|
個人型 | 契約者本人のみ | 一人暮らしや単身者向け。保険料は最も安い。 |
夫婦型 | 契約者本人+配偶者 | 子どもがいない家庭向け。2人分まとめて契約できる。 |
家族型 | 契約者本人+配偶者+子ども(条件あり) | 子育て世帯に人気。家族全体をカバーできる。 |

へ~、“家族傷害保険”っていってもいろんなタイプがあるんだね。

子どもがいないなら夫婦型、子どもがいるなら家族型って感じで、家庭の状況に合わせて選べるんだ。
個人型はね、、、うん、正直、普通傷害保険とほとんど同じ内容だから、なくても困らないかなって思ってるよ。
人数関係なし!?家族型傷害保険の「一律」の秘密
家族型傷害保険では、たとえ子どもが何人いても保険料が一律という特徴があります。
一見すると、収支相当の原則に反しているようにも思えますが、実はこの仕組みには保険会社の設計上の工夫があります。
子どもは大人に比べて事故の件数こそ多くなりがちですが、重症化するケースは少なく、支払われる保険金も比較的少額で済む傾向があります。
そのため、たとえ加入人数が増えても保険会社にとっての支払いリスクが急激に増えるわけではないのです。
こうした前提のもと、保険会社はリスクを平均化しながら「家族型=一律保険料」で提供しているのです。

なるほどね~。でもさ、やっぱり子どもが増えればケガのリスクも高くなるわけだから、保険料もちょっとは上げた方がいいんじゃないのって思っちゃう。

まあ、それは正論なんだけどね。でも『子どもが増えたら保険料アップです』って言われたら、やっぱり保険の人気は下がっちゃうよ。
そこはほら、“食べ放題”みたいなもんだと思えばわかりやすいよ!
なぜ保険料は一律なの?答えはまさかの「食べ放題理論」
本来、子どもが増えればケガのリスクも増えるわけですから、保険料もそれに応じて上がるのが理想的です。
これは収支相当の原則(=保険料=給付+経費)から考えても、ごく自然な発想です。
しかし、実際の家族型傷害保険では「子どもが何人いても保険料は一律」です。
なぜこのような仕組みになっているのでしょうか?
実はここ、食べ放題の料金設計とよく似ています。
もし食べ放題で「たくさん食べる人は料金が高く、小食の人は安く」などと個別に料金を設定していたら、そもそも“食べ放題”という仕組みの魅力はなくなってしまいます。
「一律でわかりやすく、お得感があるからこそ人気」なのです。
保険も同じで、「子どもが増えたらその分だけ保険料が上がります」と言われたら、加入をためらう人も増えるでしょう。
そこで保険会社は、多少リスクが上がることを織り込んだうえで、わかりやすく・買いやすい料金設計にしているのです。
つまり、保険料の一律化は合理性だけでなく、売れやすさや商品としての魅力も重視した結果。
保険もビジネスです。収支相当の原則にあまりにも忠実すぎるより、「たくさんの人に選ばれる設計」を優先しているというわけです。

おお~、ビジネスって視点がすっかり抜けてたよー!
確かに、子どもが増えるたびに保険料が上がる仕組みだったら、買いたくなくなるかもね~

そうそう。何より大事なのは、お客さんに“入りたい”って思ってもらうこと。
民間の保険会社は営利企業だから、たくさんの人に選ばれるように、魅力的な設計をしてるんだよ!

