FP試験問題の疑問:なぜ投資助言・代理業は内閣総理大臣の登録なの?


宅地建物取引業の登録先は、都道府県知事か国土交通大臣だよ。

ふむふむ。

で、投資助言・代理業はね、内閣総理大臣の登録が必要なんだ。

ふむふむ。

…っえ??

で、次に弁護士は〜

ちょちょちょちょ待ってー!なんでそんなところで総理大臣!?
総理って、なんかもう…“ラスボス”じゃん!!

おお!きりちゃんナイス気づき!
確かに、こんなところで“総理”の名前が出てくるのは意外だよね。
(“ラスボス”っていう表現が地味におもしろい…)

だってさ、宅建業の都知事や国土交通大臣って、なんていうか“中ボス”って感じじゃない?
そこで総理って名前が出てくると、宅建業より投資助言・代理業の方が、登録が大変で凄い仕事なのかなって思っちゃう。

うん、ごく自然な、いい疑問だね。
じゃあ今回は、どうして投資助言・代理業が内閣総理大臣の登録なのか、解説していこうか。
宅建業ってどんな仕事をしてるの?
宅建業とは、かんたんに言えば
土地や建物などの「不動産」を売ったり、貸したりする仕事のことです。
もう少し正確にいうと、以下の4つのうち、どれか1つでも行えば「宅建業」に該当します。
- 不動産の売買
- 売買の仲介(買いたい人と売りたい人をつなぐ)
- 不動産の賃貸借の仲介(貸したい人と借りたい人をつなぐ)
- 自分で買った不動産を売る
いわゆる「不動産屋さん」がやっている仕事の多くが、ここに当てはまります。
いっぽう投資助言・代理業ってどんな仕事?
投資助言・代理業とは、かんたんに言うと
「お客さんに対して、株や投資信託などの金融商品についてアドバイスするお仕事」のことです。
たとえばこんな感じ👇
- 「この銘柄は今後上がる可能性がありますよ」
- 「今の市況では、リスクを抑えた分散投資がいいと思います」
- 「この投資信託は手数料が高いので、こちらの方がおすすめです」
こういったように、お客さんの投資判断に影響を与える“助言”を業として行う場合、
その人や会社は「投資助言・代理業」にあたります。

宅建士は、土地や建物といった不動産を扱う仕事。
一方で、投資助言・代理業は株や投資信託みたいな金融商品を扱う仕事なんだ。

なるほどね〜。でも、だからって宅建の登録先が都知事か国土交通大臣で、
投資助言・代理業は総理っていうのは、やっぱり納得できないな〜。
金融商品も大切なのはわかるけど、土地とか建物だってすごく大切じゃん!
それに、目に見える“でっかい商品”だし、なおさらじゃない?

うんうん、きりちゃんの言うとおりだよ。
土地とか建物って大きいし、実際すごく重要な取引だもんね!
でもね、“登録先の偉さ”って、モノの大きさじゃなくて“制度の仕組み”で決まるんだよ。
なぜ宅建業は知事で、投資助言・代理業は総理?
一見すると、不動産を扱う宅建業の方がスケールが大きそうなのに、
登録先は「都道府県知事」。
一方で投資助言・代理業は「内閣総理大臣の登録」が必要です。
この違いは、仕事の大きさではなく“監督のしくみ”の違いによるものです。
宅建業は地域密着型
宅建業は、土地や建物など“その地域の不動産”を扱う仕事です。
だから地域をよく知る都道府県が管理するしくみになっていて、
営業範囲によっては国土交通大臣が担当することもあります。
投資助言・代理業は全国対象
一方で投資助言・代理業は、全国どこでもサービスできる金融分野の仕事。
全国一律のルールが必要なため、国全体で管理する形になっており、
登録名義は内閣総理大臣とされています。
つまり、登録先の“偉さ”は業務の性質によって決まっていて、
「地域で完結するか」「全国に影響するか」がポイントになるんです。

そっか〜。金融商品って目に見えないから、地域ごとに分けて管理するのが難しいんだね。
だから、国全体でまとめて管理するために、登録先が総理大臣になるのかー!

そうそう、きりちゃん大正解〜っ!✨
目に見える不動産と違って、金融商品って“どこにでも届いちゃう情報”だから、
地域単位で監督するには限界があるんだよね。
だからこそ、全国一括でルールを決めて、
“この人が責任持ちます!”っていう形をとるために、
登録先も国のトップ=総理大臣になるってわけなんだ!