FP試験にも実生活にも役立つ💡『公信力はないのに登記は大切?対抗力の仕組みを整理』


ねえねえ、不動産の登記って、なんで公信力ないの~!?
“公に信じてもらう力”って名前なのに、その力がないって聞くとちょっとがっかり…。
それでも登記する意味ってちゃんとあるのかな~?

がっかりするのも当然だよ、きりちゃん。日本の不動産登記には公信力は認められていないんだ。
ただ、その一方で“対抗力”はしっかりあって、自分の権利を守るためにとても重要な役割を果たしてくれる。
だから登記には大きな意味があるんだよ。

おっ、対抗力っていうのがあるんだ~!
名前だけでわかった気にならないようにしたいし…こういうのってちゃんと知っておくと安心だよね。
ねえねえ、もっと詳しく教えて~!」

きりちゃん、その気持ちのまま学んでいくのが大事だよ。
不動産の登記は、公信力こそないけれど、権利を守るための“対抗力”がしっかり機能しているんだ。
ではここから、公信力はないのに登記が重要といわれる理由、そして対抗力の仕組みについて解説していくよ。
不動産の登記は、売買や相続などの場面で「誰がその不動産を所有しているのか」を示す大切な仕組みです。金額が大きく権利関係も複雑になりやすい不動産では、この登記があるかどうかで取引の安全性が大きく変わってきます。
しかし、日本の不動産登記には「公信力」がありません。
登記簿に書かれている内容が、必ずしも“正しい状態を国が保証してくれるわけではない”という点は、意外に知られていない部分です。
この特徴を聞くと、不安に感じる人も多いかもしれません。
それでも登記が重要とされているのは、登記には「対抗力」という強い効力が備わっているからです。
対抗力は、所有者が第三者に対して自分の権利を主張できる重要な仕組みで、不動産の売買や権利関係を守るうえで欠かせません。
ではここから、公信力はないのになぜ登記が重要といわれるのか、その答えとなる対抗力の仕組みについて解説していきます。
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「対抗力」とは?不動産登記の中心になる仕組み
不動産の登記には、公信力こそないものの、「対抗力」というとても重要な効力が備わっています。
対抗力とは、自分がその不動産の所有者であることを、第三者に対して主張できる力のことです。
たとえば、あなたが不動産を購入して所有権を得たとしても、その事実を誰も知らなければ、後から別の人が「私が買いました」と言い出すようなトラブルが起こる可能性があります。
こうした場面で、所有権の登記をしておけば、
「この不動産は自分のものです」と正当に主張できる
という強い裏付けになるのが対抗力です。

念願のマイホーム用に土地を購入して、さあ建てようと見に行ったら…
知らないおじさんがそこで勝手にキャンプをしていて、しかも『ここはわしの土地だー!』と主張していたとしたらどうかな、きりちゃん。かなり困った状況だよね。

えぇぇ~~っ!?困ったなんてもんじゃないよ~!!大混乱だよ~!!
そんなの見た瞬間パニックになるって~~!!

そうだね、きりちゃん。だからこそ登記が大切なんだよ。
土地の所有権を登記しておけば、『ここは私が購入した土地です』と第三者に対して正式に主張できる。
これが対抗力なんだ。万が一のトラブルでも、自分の権利を守る確かな根拠になるよ。
つまり、
- 登記があることで権利を“外に向けて”示せる
- 不動産のトラブルを避けやすくなる
- 売買や相続などの取引を安全に進められる
といった意味で、対抗力は登記制度の中心的な役割を担っています。
この対抗力があるからこそ、日本の登記は“公信力がなくても重要”とされているのです。
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不動産登記に“公信力がない”とされる理由とは?
不動産登記は「誰がその不動産を持っているのか」を示す大切な仕組みですが、日本の登記制度には“公信力”がありません。
公信力とは、登記されている内容が正しいものだと国が保証する力のことです。
しかし、日本ではこの力が認められていません。
その理由は、登記の内容が必ずしも“その時点での真実”と一致するとは限らないからです。
登記は申請主義で行われており、提出された書類をもとに手続きが進むため、
・本来行われるべき登記が未了のままになっている
・書類の誤り
・登記自体が遅れている
といった理由で、実際の所有者と登記簿の記載が違ってしまう場合があります。

まあ人間だし、所有権の移転登記をうっかり忘れてしまうことは普通にありえるんだよ。
もし登記に公信力があったら、その“古いままの登記”が正しいものとして扱われ続けてしまう。
だからこそ、登記には『ここは私の土地です』と主張できる対抗力はあるけれど、『登記の内容そのものが常に正しい』と保証する公信力は認められていないんだ。

なるほどね~。
公信力がないって聞いて最初はちょっとがっかりしてたけど…ちゃんと理由があるって分かると安心する。
仕組みを知るって大事だね!
もし公信力を認めてしまうと、
“登記簿に書かれていれば、それが誤りであっても買った人は必ず保護される”
という状態になり、不当な取引が横行するリスクも出てきます。
そのため日本の制度では、
登記簿の記載を全面保証しない=公信力を認めない
という形で、取引全体の公平性を保っているのです。
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まとめ:登記の“対抗力”と“公信力”を正しく理解しよう

今日のお話で、登記ってただの手続きじゃなくて、自分の権利を守るための大事な仕組みなんだって分かったよ。
対抗力と公信力の違いも、ようやく整理できた気がするなあ。

そうだね、きりちゃん。不動産登記には公信力はないけれど、対抗力はしっかり機能している。
だからこそ、権利をめぐる場面で登記が重要になるんだ。
仕組みそのものを理解しておくことで、不安や誤解も減らせると思うよ。

二人ともよく理解できているね。登記は不動産を安全に扱うために欠かせない制度だから、その根本にある“対抗力”と“公信力”の違いを正しく把握しておくことが大切なんだよ。今日の内容を押さえておけば、実生活でもFP試験でもきっと役立つはずだよ。

なんだか難しそうって思ってたけど、仕組みが分かると不動産ってちょっとワクワクしてくるね~!
知っておくと安心だし、これからもっと学ぶのが楽しみになってきたよ~!
不動産登記は、「誰がその不動産の権利を持っているのか」を社会に示す重要な仕組みです。日本の登記制度には、公信力こそありませんが、第三者に対して自分の権利を主張できる“対抗力”が備わっています。この対抗力があるからこそ、売買や相続などの場面で、自分の権利を確実に守ることができるのです。
一方、公信力が認められていないのは、登記簿の内容が常に最新かつ完全とは限らず、登記の誤りや遅れ、手続き未了のまま放置されるケースが存在するためです。こうした背景から、登記簿の記載がそのまま絶対的に信用されるわけではありませんが、対抗力によって権利の安全性はしっかり確保されています。
対抗力と公信力の違いを理解しておけば、不動産を扱う場面での判断がより確かなものになりますし、相続や売買の手続きを進める際にも迷いにくくなります。また、これらの知識はFP試験でも頻出のテーマであり、実生活と試験対策の両方に役立つ大切な基礎です。
不動産登記の仕組みを正しく理解することは、将来のトラブルを防ぎ、安心して不動産と向き合うための大きな助けになります。
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