FPの計算問題によく出る建蔽率・容積率って、結局なんのため?

きりちゃん

不動産の計算でさ、建蔽率とか容積率ってよく出てくるじゃん?
過去問ではもう解けるようになったんだけどさ~。

まどくん

うん、よかったじゃん。

きりちゃん

これっていったい何の計算なの!?
私さ~、不動産の何を知るためにこれやってんの!?泣
なんかもっとさ、本質みたいなの知りたいんだけど~!

かし先生

うんうん、その“本質を知りたい”って気持ち、すごくいいね!
計算式を丸暗記するだけじゃ、金融リテラシーが高いとは言えないからね。
よーし、じゃあ今回は“建蔽率と容積率ってそもそも何のためにあるのか”を、一緒に見ていこう!

FP試験の不動産分野では、**建蔽率(けんぺいりつ)や容積率(ようせきりつ)**の計算が、ほぼ毎回のように出題されます。

ただ、漢字からしてとっつきにくくて、
「とりあえず計算はできるけど、これって何のための数値なの?」と疑問を持ったまま解いている人も少なくありません。

そこで今回は、ただの暗記や計算にとどまらず、
建蔽率・容積率の“本当の意味”や“なぜ必要なのか”という本質的な部分を、実務にもつながる形で解説していきます。

建蔽率の計算って、そもそも何のため?

■ 建蔽率の計算式
建蔽率(%)= 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100

建蔽率とは、敷地のうち建物を建てていい面積の割合のこと。
たとえば建蔽率60%で敷地面積が100㎡なら、建築面積(1階の床面積)は最大60㎡までOKということになります。

でも、これはただの数字遊びではありません。
この制限には、ちゃんとした社会的な目的があるんです。

まどくん

建蔽率には『安全で快適な街をつくる』っていう、ちゃんとした目的があるんだよ。

建蔽率の制限がある理由は主に次の3つです👇

目的 内容
🔥 防火・延焼防止 建物同士が近すぎると、火災時にすぐ燃え移ってしまう。空地を確保することで被害を最小限に抑えます。
🌞 日照・通風の確保 周りの家に日が当たらなくなったり、風通しが悪くなったりしないように。
🏙️ 街の景観・ゆとりある環境の維持 建物がギチギチに詰まるのを防ぎ、街全体にゆとりをもたせます。

まどくん

きりちゃん、もしどの建物も敷地の100%をぜ~んぶ使って建てていいってなったら、どうなると思う?

きりちゃん

えぇ~、それって火事になったらすぐ隣に燃えちゃいそうだし、
風も通らないし、なんかゴチャゴチャしてて景観もひどそう~、、、
そんなとこ住みたくなーい!

かし先生

うん、その感想、大正解だよ。
建蔽率ってね、単に“建てていい面積”を制限してるだけじゃなくて、
安全性とか快適さ、そして街の景観まで守るための大事なルールなんだ。

つまり、建蔽率の計算を通じてわかるのは、
「この土地に、どれだけの建物を建てていいか」だけでなく、 「その地域の暮らしやすさや安全性を守るためのルール」なんです。

容積率の計算って、そもそも何のため?

■ 容積率の計算式
容積率(%)= 延べ床面積 ÷ 敷地面積 × 100

容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積(全フロアの合計)の割合のこと。
たとえば容積率200%で敷地面積100㎡なら、延べ床面積は最大200㎡までとなります。

つまり、

  • 建蔽率 → 敷地に対して「地面をどれだけ覆うか」
  • 容積率 → 敷地に対して「建物全体をどれだけ大きくできるか」

という違いがあるんです。

きりちゃん

ふむふむ、つまり延べ床面積って、人が暮らすためのスペースってことだよね?
だったらさ、わざわざ制限なんてしないで、もっとたくさん人が住めるようにすればいいんじゃないの~?

まどくん

おっ、いいとこに気づいたね~。
じゃあ今度は、どうして容積率に制限があるのか、その理由を見ていこうか。

容積率に制限があるのは、こんな理由から👇

目的 内容
🏙️ 過密な都市化の防止 建物を高く大きくしすぎると、人や車が集中しすぎて住みにくい街に。
🚗 インフラ(道路・水道・電気など)の負担軽減 容積率が高いと人口も増える → その地域のインフラがパンクしかねない!
🧭 街の用途に合わせた環境づくり 住居エリアは静かに、商業エリアは活発に。容積率を変えることでそれぞれの「らしさ」を保つ。

かし先生

もし目の前の道路が車1台通るのがやっとの細い道だったとして、
そこにタワマンなんか建ってたら、、、朝の通勤時間、どうなると思う?

きりちゃん

あっ、それ絶対大渋滞!みんな詰まって大パニック!
遅刻確定じゃん!

つまり、容積率を制限することで
「その地域に見合った人口密度」や「暮らしやすさ」を調整しているというわけなんです✨

だから容積率の計算は、
ただの数字合わせじゃなくて、街全体のバランスを取るための大事なしくみってことなんですよ。

まとめ:建蔽率も容積率も、制限にはちゃんと理由がある!

建蔽率と容積率は、住居・商業・工業といったそれぞれの地域に合わせて、適切な制限が設定されています。

建蔽率は敷地面積に対する建築面積の割合を制限することで、火災時の延焼を防いだり、日当たりや風通しを確保したり、街の景観を守ったりと、安全でゆとりある暮らしのためのルールになっています。

一方、容積率は延べ床面積を制限することで人口密度を調整し、その地域に合った“暮らしの密度”を保つために使われています。道路やインフラへの負担を抑えるうえでも、とても重要な役割を果たしています。

こうした知識を身につけて町を歩いてみると、建物の高さ・広さ・配置の一つひとつに意味があることが見えてきて、いつもの風景がちょっと違って見えるかもしれませんよ。

きりちゃん

なるほどね~、もし建蔽率とか容積率がなくて、
みんな好き勝手に建てちゃってたら、
街じゅうごちゃごちゃで、カオスなことになっちゃってたかも。

まどくん

そうそう。自由すぎると、建物が密集しすぎたり、インフラが追いつかなかったりで、
住みにくいどころか危険な街になっちゃうかもしれないんだよね。

だから建蔽率や容積率って、“制限”というより“街を守るガイドライン”って考えるといいかも。

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