顧客本位のFPとは?利益優先・守秘義務・説明責任を正しく理解する

顧客利益の優先とは?

きりちゃん

この前保険の営業マンに“あなたにぴったりのプランです!”ってすごく勧められて。その場ではいいかなって思ったけど、あとで考えたら本当に必要かなって思っちゃって、、、

まどくん

それって、売る側の都合が優先されてたのかもしれないね。保険の営業って、商品を売るのが仕事だから、必ずしも中立とは限らないし

きりちゃん

そっか。すすめてくれたのはありがたいけど、本当に私に合ってたかって言われると、自信ないかも

FPかし

そういうときこそ、FPの役割が大切になるんだ。FPには“顧客の利益を優先する”という、明確な原則があるんだよ。今日はその基本から話してみようか。ちなみにきりちゃん、何の保険勧められたの?

きりちゃん

自動車保険!まだ免許持ってないけど将来的には持つ予定だし♪

FPかし

(絶対必要ない)

まどくん

(絶対必要ない)

FPに求められる顧客利益の優先とは?

FPは常に「お客様の立場に立って判断・提案する」ことが求められます。
これは、自分や会社の利益よりも、顧客の利益を最優先に考えるという意味です。

「顧客利益の優先」は、FPが信頼され続けるための土台とも言える考え方です。
他の「守秘義務」や「説明責任」とあわせて、FP倫理の中核になります。

例:あるFPが保険の提案をするとき

  • A保険:手数料は低いけど、保障内容が顧客にピッタリ
  • B保険:手数料が高くてFPにとって利益が大きいが、顧客には過剰保障

→ 顧客の利益を優先するFPなら、迷わずA保険を提案するのが正しい姿勢です。

日本FP協会の倫理規程でも明記

「顧客の利益を常に最優先とし、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。」

これは単なる理想論ではなく、倫理規範として明文化されている責任です。

FPも仕事である以上、つい自分の利益を優先してしまうことがあります。
そのため、残念ながら「FPは詐欺師だ」といった声を耳にすることも少なくありません。
しかし、顧客より自分の利益を優先する姿勢は、お金の専門家として本来あるべき姿ではありません
顧客の利益を第一に考え、誠実に行動し、提案できる人こそが、真のファイナンシャルプランナーだと私は考えます。

きりちゃん

なるほど、、、FPってただ商品を紹介する人じゃなくて、本当にお客さんのためになる提案をするのが大事なんですね。

FPかし

その通り!自分の売上よりも、目の前の人の人生を考えて動ける人こそ、信頼されるFPなんだ。

まどくん

でもけっこう難しいことだよね、、、だって正直、自分がちょっとでも儲かる方を選びたくなる気持ちって、出てきちゃいそうだし。

FPかし

うん。FPはただの販売員ではなくて、人生とお金に関わるアドバイザーだからね。
それと、もうひとつ重要なのが守秘義務。FPは相談の中でたくさんの個人情報や家計の悩みに触れるから、その内容を口外しないことが絶対なんだ。

守秘義務の遵守とは?

FP(ファイナンシャル・プランナー)は、相談を通じて知り得た顧客の個人情報や家計の状況などを、第三者に漏らしてはいけないという義務を負っています。
これは法的にも倫理的にも重要な責任です。

FPの仕事は、お金や人生設計という非常にプライベートな内容を扱います。
「この人には話しても大丈夫」と思ってもらえなければ、そもそも相談自体が成立しません。

守秘義務違反になる具体例

  • 顧客の相談内容をSNSや友人に話す
  • 他の社員や第三者に、許可なく内容を共有する
  • セミナーや研修の事例として、本人の同意なく紹介する

どれも、たとえ悪意がなくても「うっかり」が大問題につながります。

倫理規程にも明記

日本FP協会の倫理規程には、以下のように定められています

FPは業務上知り得た顧客に関する情報を第三者に漏洩してはならない。
また、顧客の同意なく目的外に使用してはならない。

現代はSNSやオンラインのコミュニケーションが日常化し、何気ない一言や投稿があっという間に拡散されてしまう時代です。
たとえ本人に悪気がなかったとしても、軽はずみな行動や不用意な言動が、顧客からの信頼を一瞬で失わせることがあります

信頼関係というのは、一朝一夕に築けるものではありません。
時間をかけて積み重ねてきた信頼も、たった一度の過ちで簡単に崩れてしまうのです。

だからこそ、顧客の秘密を守るという姿勢は、仕事中だけでなくプライベートでも一貫して求められます。
FPとしての責任は24時間。
どんな場面でも情報を漏らさないよう、「行動・姿勢・意識」のすべてで守秘義務を徹底することが大切です。

きりちゃん

うわぁ、、、守秘義務って思った以上に重たいですね。プライベートでも気を抜けないなんて、ちゃんと意識してないと危ないなぁ。

まどくん

うん、SNSとかも要注意だよ。名前は出してないから大丈夫って思ってても、意外と誰かわかっちゃったりするし。

FPかし

そうだね。ちょっとだけならーっていう油断が、一気に信頼を壊すことになる。FPは、お金だけじゃなくて“人の人生”を預かってる仕事だからね。

きりちゃん

なるほど、、、信頼ってつくるのは時間かかるのに、壊れるのは一瞬ですもんね!

まどくん

でもさ、秘密を守るだけじゃなくて、ちゃんと説明することも大事じゃない?「なんでこの保険をすすめてるのか」とか。

FPかし

おっ、いいところに気づいたね。それがまさに次のキーワード、説明義務(アカウンタビリティ)だよ。

説明義務(アカウンタビリティ)とは?

FPが行うアドバイスや提案に対して、
**「なぜこの選択肢なのか」「どういうメリット・デメリットがあるのか」**を、
顧客が理解できるように、責任をもって説明する義務のことをいいます。

FPの提案は、人生や資産に大きな影響を与えます。
しかし、多くの顧客は金融や保険、税制の知識に詳しくありません。
だからこそ、わかりやすく丁寧な説明が不可欠です。

FPは知識面で顧客より圧倒的に有利な立場にいます。
その差を悪用せず、情報を開示してフェアな状態に戻すことが説明義務の本質です。

実際に必要とされる説明の内容

  • 提案した保険や投資の仕組み
  • その保険商品を選んだ理由
  • 他の選択肢との比較
  • リスクや費用などの不都合な点も含めた情報

※「これはおすすめです」と言うだけでは不十分で、
「なぜその選択がベストなのか」まで伝える責任があります。

FP倫理規程でも明記

FPは、業務遂行に際し、顧客が理解できるよう適切な説明を行い、
顧客自身が自らの意思で判断できるよう配慮しなければならない。

正直、顧客に細かく説明するよりも、結論だけを伝えて終わらせるほうが楽です。
知識を与えすぎると、顧客からあれこれと質問や反論が返ってきて、手間に感じることもあるでしょう。

ですが、そのような姿勢では、顧客との信頼関係は決して築けません。

FPとして大切なのは、
「なぜこの商品なのか?」「他の選択肢ではなぜダメなのか?」という問いに対して、
顧客が納得するまで丁寧に向き合い、説明することです。

さらに、説明することは単なる契約のためではなく、
顧客の金融リテラシーを高めるきっかけにもなります。

顧客が将来、FPに頼らずとも自分で考え、適切な選択をとれる力を身につけていくことこそ、
FPとして果たすべき、もう一つの大切な役割と言えるでしょう。

きりちゃん

う~ん。やっぱりちゃんと説明するのって、時間もかかるし、大変そうですね、、、
でも、それを手を抜いちゃダメなんですよね。

まどくん

うん。自分だったら「この保険がいいですよ」ってだけ言われても、たぶん不安になるなぁ。
なんでそれがいいのかって、やっぱりちゃんと知りたいよね。

きりちゃん

たしかに、、、最初はよくわからなくても、何度も話してもらえると、ちょっとずつ理解できて「納得して決められた」って感じがする!

まどくん

それに、説明してもらえると、「あ、この人はちゃんと向き合ってくれてるんだな」って思えるもんね。

FPかし

そう、それがまさにアカウンタビリティの本質なんだ。
説明することって、ただ情報を渡すことじゃない。
「一緒に考えていく」っていう姿勢を示すことでもあるんだよ。
FPは商品を売る人じゃない。
人生に関わる選択を、納得して進めるようサポートする伴走者なんだ。
そのためにも、ちゃんと説明し、信頼される存在であることが何より大切なんだよ。

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