「利回りって何?」からはじめる、単利と複利の違いもまるっと解説!

ねえねえ、“利回り”ってよく聞くけど、いまいちピンとこないんだよね~。
お金が増えてく感じ…ってことくらいは、なんとなく分かるんだけど。

“利回り”っていうのは、かんたんに言えば “お金がどれくらい効率よく増えたか” を表すものなんだ。
例えば、1年でどれくらい増えた?ってのが利回りだね。

そうそう。実際には “利息がついた” とか “配当がもらえた” っていう場面で使うことが多いよ。
今日はこの“利回り”の基本にくわえて、“単利”と“複利”の違いも含めて解説していくよ!
目次
“利回り”とは?〜お金の増え方を表す“効率”のこと〜
「利回り」とは、お金を運用したときに、どれくらい増えたのかを表す“割合(%)”のことです。
かんたんに言うと、「お金の増え方の効率」を数字であらわしたものなんです。
たとえば、
100万円を1年間あずけて、1万円増えたとしたら、
利回りは「1万円 ÷ 100万円 × 100 = 1%」
この「1%」が“利回り”です。
つまり、元のお金に対して「どれくらい増えたか」をパーセントで見ているんですね。
利回りといっても、増える理由はいろいろあります。
たとえば、
- 銀行預金でついた利息
- 株や投資信託でもらえる配当や分配金
- 株価や資産そのものが値上がりした
こうした“利益”をもとに利回りが決まっていくので、
利回りは「どんな投資を選ぶか」「どれくらい増えるか」を比べるときにとっても便利な指標なんです!
利回りの知識を身に着けて、貯金を寝かせたままにせず “働いて“ もらおう!
近ごろは物価の上昇が続いていて、私たちの生活費も少しずつ増えています。
それに対して、銀行に預けたお金の利息(=利回り)は、ほとんど増えていないのが現実です。
たとえば、タンス預金(家に現金で保管するだけ)の利回りは0%、銀行の普通預金でも利回りはごくわずか。
このままでは、生活費の上昇率のほうが、貯金の増えるスピードを上回ってしまうため、
長い目で見ると生活が苦しくなってしまう可能性があります。
だからこそ、貯金のすべてを運用に回す必要はありませんが、
一部でもしっかりと運用して「お金を増やす」という視点を持つことが大切です。
たとえば、株式や投資信託などを活用すれば、普通預金よりも高い利回りが期待できます。
大切なのは、自分のリスク許容度に合わせて、無理のない範囲で運用すること。
貯金を「寝かせる」だけでなく、「働かせる」という考え方を持つことが、これからの時代には欠かせないのです。
金融商品の利回りざっくり一覧(年率・税引前)
資産の種類 | 利回りの目安 |
---|---|
株式 | 1.5〜6.5% |
債券 | 0.5〜5.3% |
投資信託 | 3〜10% |
普通預金 | 0.2〜0.5% |
定期預金 | 0.25〜1.0% |
なお、こちらの利回りは、あくまで「目安」にすぎません。
たとえば、同じ「株式」といっても、どの会社の株を選ぶかによって利回りは大きく変わります。
高配当の株もあれば、ほとんど配当のない株もありますし、
株価が上がって大きな利益が出ることもあれば、逆に値下がりすることもあります。
債券や投資信託も同様で、
債券は国債なのか米国債なのか、投資信託では、株と債券の割合、日本集中型か、米国集中型なのか、それとも世界分散型なのか、
つまり、「この金融商品は○%で増える」と一概には言えないのが、投資の世界の難しさであり、おもしろさでもあるんです。

そっか〜。今まで“投資ってなんか怖い…”って思って、ずっと銀行に預けっぱなしだったけど、
物価も上がってるし、貯金の一部は債券とか投資信託にまわして、利回りを意識した方がいいのかも!

うむ。昔みたいに預けておけばそれなりに増える時代なら、それでもよかったけど、
今の預金金利は低利回りの時代だからね。 “お金をどう増やすか” を自分で考える時代になってきたのかも。

その通り!あとは、利回りの“相場感”を知っておくこともすごく大事だよ。
たとえば『年利30%の投資があります!』なんて話がきても、相場を把握していたら怪しいって気づけるよね。
利回りを学ぶことは、自分の資産を守ることにも繋がるよ!

うっ、、、絶対だまされないように気をつけるっ…!
単利と複利の違いとは?
利回りには大きく分けて「単利」と「複利」があり、
単利は元本にだけ利息(投資をして増えた分)がつき、複利は元本と利息の両方に利息がついていくのが特徴です。
これを知らずに投資をしていると、時間が経つほど大きな差になることも。
まずはそれぞれの仕組みを見てみましょう。
単利とは?
単利は、元本(最初に預けたお金)にだけ利息がつく仕組みです。
増えた利息には利息がつかないので、増え方はずっと同じペースです。
例:100万円を年利5%で10年運用(単利)
→ 毎年5万円 × 10年 = 利息は合計50万円
→ 最終的に 100万円 + 50万円 = 150万円
単利は、元本に対して毎年同じ利息がつくシンプルな仕組みです。
計算もとても簡単で、「元本 × 利率 × 年数」で求めることができます。
つまり、期間がどれだけ長くなっても「毎年同じ金額」が増えていくのが単利の特徴。
元本と利率さえ分かれば、利息の計算はすぐにできるのが特徴です。
複利とは?
複利は、元本だけでなく、増えた利息にも利息がつく仕組みです。
“利息が利息を生む”ので、時間が経つほど加速度的に増えていきます。
例:100万円を年利5%で10年運用(複利)
→ 10年後の金額:約162.9万円(※元本+利息)
単利と比べると、同じ利率でも結果に大きな差が出るのがわかります。

ほうほう、162.9万円かぁ…。たしかに単利と比べると、約13万円も多く増えてるんだね。これはすごいかも!

ちなみにね、同じ100万円・年利5%でも、期間を50年にすると——
単利は350万円、複利だと1,146万円。差は796万円にもなるんだよ。

な、なな796万円!?そんなに!?全然違うじゃん…!

そうなんだよね。複利の力って、期間が長くなればなるほど本領発揮するんだよ。
増えたお金も一緒にまた使って増やしていくと、お金全体がどんどん膨らんでいくんだ。
複利の力は絶大
お金をふやすうえで、「複利」の仕組みはとても大きな力を持っています。
複利とは、増えたお金(=利益)も元本と一緒に運用して、さらに増やしていく仕組みのこと。
最初は増え方がゆっくりに見えますが、時間がたつほど加速的にお金が増えていくのが特徴です。
もっと複利のすごさが伝わるように、次は「一括投資」ではなく毎年投資をする「積立投資」で、さらに年齢も交えて比較していきます。
積立投資で比較:年利5%・複利運用の場合
Aさん(40歳から60歳まで積立)
───────────────
■ 投資元本:2,000万円
■ 60歳時点の資産:約3,307万円
───────────────
Bさん(20歳から40歳まで積立、その後は放置)
───────────────
■ 投資元本:2,000万円
■ 60歳時点の資産:約8,773万円
───────────────
同じ元本2,000万円でも、
Bさんは“早く始めて、長く運用”したことで資産が約2.6倍に!
Aさんと比較するとその差は驚愕の約5,466万円!
これがまさに、「複利 × 時間」の力です。

ん〜、これはもう決まりだね。これからは支出は極力おさえて、貯金はぜんぶ投資にまわすよ。
そしたら老後はもう安泰だ。

おおっと、なんか悟りをひらいたみたいになってるね…。
まあ、この“複利の力”を知っちゃうと、そう思っちゃう気持ちもわかるけど。

きりちゃん、また極端な思考に走ってるね、、、
じゃあ質問。『30歳で1,000万円自由に使える』のと、『70歳で3億円自由使えるの』、どっちがいい?

っは…!?それは…ん〜、やっぱり30歳で1,000万円!若いうちに楽しみたいもん!

でしょ?だからこそ“バランス”が大事なんだよ。
未来ももちろん大切。でも “今” を楽しむことも、同じくらい大切にしていかないとね。
複利中毒にはご注意を
「複利」は、資産運用においてとても強力な仕組みです。
過去のデータから見ても、長期で運用すればするほどお金が増えていく傾向にあり、
“時間が経つほど資産が大きく育つ”という点は、投資の大きな魅力でもあります。
ですが、大前提として、投資に「絶対」はありません。
いくら過去のデータが良好でも、未来に同じように増えるとは限らないということは、きちんと理解しておく必要があります。
近年、「複利の力はすごい」という知識を得た人の中には、
貯金をすべて投資に回し、“今” をすべて犠牲にして “未来” にお金を送り続けているようなケースも見られます。
たしかに老後資金は大切ですが、もしその結果として、
「若いからこそ行けた旅行」
「体力があるうちに挑戦できた趣味」
「心からやりたかったこと」
すべてを我慢してしまったとしたら、、、
それは本当に “豊かな人生” と言えるのでしょうか。
また、投資に成功した人の中には、老後になってもお金を使うことができず、
増やし続けることだけが目的になってしまったという例もあります。
「いつか使うつもりだったお金を使えないまま、気づけば病室のベッドの上だった」
そんな話を聞くと、お金の意味を改めて考えさせられます。
だからこそ大切なのは、
「今」と「未来」どちらも大事にしながら、複利の力を上手に活かしていくこと。
投資は手段であって目的ではないので、くれぐれも複利中毒にならないようにお気を付けてください。
まとめ:複利がどんなに凄くても「今」も大切にしよう。

複利ってほんっとにすごいね、、、!
ちょっと本気で今から “節約&全力投資モード” に切り替わりそうだった💦

いや〜、わかるよ。
でもそれって、“今の生活” を全部未来に預けちゃうってことでもあるからね…。
大事なのは、複利に使われるんじゃなくて、うまく使いこなすことだと思うよ。

複利の力はたしかに強力だけど、
“今を犠牲にしてまで増やす” ことが、必ずしも正解とは限らないんだ。
未来も大切。でも、それと同じくらい “今を楽しむこと” も忘れないようにね。

はい!お金って、ただ増やすだけじゃなくて、
人生を楽しむために “いつ・どう使うか” もちゃんと考えなきゃなんだね。うん、ちょっと冷静になった!
最後に:FPかしの独り言
今回は、「利回り」や「単利」と「複利」の違いについて解説してきました。
自分でも、この “複利の力” には何度も魅せられて、「これはすごい…!」と沼りそうになったことがあります。
でも、貯金の一部を投資しようと考えた時に、忘れてはいけないのが “自己投資” です。
株や債券、投資信託など、これまで紹介してきた金融商品は、
いわば「自分以外の誰かに頑張ってもらって、その利益の一部を分けてもらうもの」。
それに対して、自己投資は自分自身の力を育てること。
私がこうしてブログを書いたり、FPの資格を取得したのも、その一つです。
たとえば、10万円を自己投資して、1年後にそれをきっかけに100万円を稼げたとしたら、
利回りはなんと “1,000%”。夢がありますよね。
もちろん、投資したぶんだけ成果が出るとは限りません。
1円も稼げなかったということも、全然ありえます。
それでも、自己投資の魅力は、自分の知識や経験が確実に身についていく実感があること。
少しずつ「自分自身がレベルアップしていく感覚」は、とても楽しくて、やりがいのあることです。
可能性は、きっと誰にでもあります。
投資先を選ぶときに、「自分自身」を候補に入れてみるのも、十分 “あり” だと思いますよ。